それから私はひたすら無視して、学校へと急いだ。
「お、天宮おはよう。
えーと、お前は左側の、後ろから2列目な。」
「はい。」
…………大津快斗は、いない…か。
よかった。
私はすぐに指定されたバスに乗り、指定された席へと座った。
山田くんはまだいなくて、とりあえず窓側の席。
ま、窓側はできれば私に譲っていただきたい。
それからはひたすら勉強。
書くことができないからひたすら暗記、ということで苦手な日本史をやっていた。
そしてしばらくして、私の横に人が来た気配がしたから挨拶をしようと顔をあげたら
「…席間違ってます。」
なぜか、大津快斗が座っていた。
「席変わってもらった。」
「え、なんで…」
「言ったじゃん。
俺は、桜子ちゃんの隣がいいの。」
「…私は嫌です。
勝手にやめてください。」
「さっきのこと、不快に感じたなら謝る。
ごめん。」
「…………別に。
あなたに言われたからって気にしない。」
「……それでも、ごめん。
俺が言うことじゃないもんな。
桜子ちゃんならちゃんとわかってたもんな。」
「え、いや…別にそんな…」
こんなに謝ってくる大津快斗も初めてで、なんだか調子が狂う…
「そのお詫びに…今日、飯いかない?」
「…………はい?」
「ね!奢るし!」
「だから塾です。ご飯は家で食べます。」
「ちぇーっ。
いけると思ったんだけどなー。」
…………ばかにしてんの?こいつ。


