「あとで隼斗に自慢しよーっと。」
「なんで隼斗さん?」
「なんでって、隼斗は桜子ちゃんが好きだから。」
「……なにそれ。」
「それに、あいつらプリクラってものは未体験だと思うから!
あいつらの中じゃ俺が先駆者!」
「先駆者って…プリクラごときで…
……でもまぁ、たしかに隼斗さんはプリクラ写り悪そう。」
「え、そういうのあるの?」
「うん、あるよ。
ああいう、いかにも不良君はあんまり向いてないかも。
暁斗くんとか、ゆっきーさんみたいな今時の男の子は向いてるかな。
ちゃんとかっこよく写ろうって意識さえあればね。
舐められたくない、みたいな意識で撮っても良くは写らないから、プリクラって。」
「へー、そういうもんなんだ。」
まぁもともと女の子向けのシールだからね、プリクラって。
「オチケンさんみたいなタイプは可もなく不可もなくって感じだけど、黒崎くんはきっとかっこよく写るよ。」
「まー蓮は元が良すぎだしねー。」
さてと、これはお財布にしまって…
次は何をやるんだろう。
「ん、行こ。」
そういって快斗は私の手を握って、ゲームセンターを出た。
「あれ、もういくの?」
「んー、うん。
なんか見ちゃいけないものを見たから。」
「え、なにそれ。」
見ちゃいけないもの…
その言葉が気になったから、とりあえず後ろを振り返った。
「………あ…」
その見ちゃいけないものを見ちゃった私は、思わず足を止めてしまった。
「行くよ。」
……中村龍一。あれは絶対そう。
あのハデな金髪から黒い髪の毛に変わっていたけど、あれは絶対中村龍一だ。


