暴走族に恋をする。




「……でもさ、私は弱くたっていいと思う。
弱虫だから、きっと強がってるんだろうし。
それを快斗がちゃんとわかってるなら、それでいいと思う。
本当はあなたが弱いこと、ちゃんとわかってるからって。
それだけで、またひとつ強くなれる気がするから。」


私がそうだったから。
ちゃんとわかってくれてる快斗がいてくれるから
私は今、精いっぱいの強がりを発揮してるんだ。


「……そっか、なるほどね。」


「だからきっと、隼斗さんが副総長をやってるんだろうね。」


「……どういう意味?」


「ケンカも洞察力も快斗の方が上。きっと、ゆっきーさんも。
なのに隼斗さんを副総長に選んだってことはさ、自分の強さを強調したかったんだよ。

隼斗さんはなんにもわかってなさそうだから。」


「あー、あいつはバカだしね。」


「やりやすいんだよ、きっと。
快斗とかゆっきーさんじゃ、やりにくいんだろうね。」


あとは純粋に、人間性が好き…とかかな…?
私はまだまだ仲良くなれる気はしないけど。


「あ、そうだ!
これ桜子ちゃんの分だよー!」


「……なにこれ。」


快斗が差し出したのは、シルバーのブレスレットだった。
細長いプレートには、"BLACK SPIDER"の文字。


「蓮から。
ま、俺らの仲間ってこと。正確には俺の彼女なのに。」


「……でも、これをつけてたら私まで暴走族の仲間入りにならない…?」


「もう今さらでしょ。
だって桜子ちゃん、地味な姿はもう蓮の彼女で浸透してるからね。」


「えっ」


「俺も超イヤだけど。
だから俺といるときはその姿しててね。

ま、俺の彼女がそれつけててもなんの違和感もないから大丈夫だよ。
俺がちゃんと守るよって意味も込めてね。
だから俺とお揃い!裏、見てみてよ。」


そう言われ、プレートの裏を見ると"3"の文字。


「俺はブラスパで3番目の地位だから。
ブラスパ引退したら下に受け継がれてくんだけどね。
だからつけててよ、それ。」


「……全然嬉しくない。」


「逆に言えば、それをつけてれば蓮の彼女と疑われずに済むよ。
蓮は"1"だから。」


「……ならつけとく。もう面倒なことはごめんだもん。」


「俺の彼女なら狙われることもないしねー。」