「よし、誰もいないね。
じゃあ私を莉奈だと思って告白してみようか。」


空き教室に入って私がそういうと、暁斗くんはドアを閉めた。
振り返ったときにはもう真剣な顔をしていて、スイッチがオンになったことがわかったから
なんだかちょっと楽しくなってきてしまった。


「あの、さ…」


「うん」


笑っちゃダメ、笑っちゃダメ。
真剣に……


「俺…お前のことずっと「なにしてんの?」


……え?


「なにしてんだよ、こんなとこで。二人で。
トイレ行ってたんじゃねーのかよ。」


「か、快斗…」


わー、怒ってらっしゃる…
まぁ結構待たせたし…しかも暁斗くんと二人っきりのとこ見られたし…
そりゃ怒るか。怒るよね。


「おい暁斗。お前は俺の彼女になに言おうとしてんだよ。」


「快斗…ちが「おせーから見に行こうとしたら二人してこんなとこ入ってくしな。」


あぁ、その笑みがまた怖いよ。


「行こ、桜子ちゃん。」


え、え?私だけ?私はいいの?え?
……でも、このままじゃこの二人の仲が……


「ちょ、快斗待って!」


とにかく、私のせいでこの二人の仲が悪くなるのは絶対に嫌だ。


「話なら向こうで聞くし。」


「だから待ってってば!」


待てといっても私の腕を掴んで止まろうとしない快斗の手を、むりやり振りほどいた。