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「快斗、そんなとこでなにしてんの?」


「…んー、別に?」


朝、桜子ちゃんと一緒に登校してからトイレに行き、戻ると教室では暁斗と桜子ちゃんが仲良さそうに話していた。


「え、まさか暁斗に嫉妬してるわけ?」


「ちっ、ちが!」


「……さすがに友達なんだからお喋りくらいするでしょ…」


「…そうなんだけどさ」


なんか、俺だけが知ってた笑顔がどんどん広まってって
俺のだけじゃなくなった気分…


「ま、確かにたった1日でけっこう仲良くなったよね、あの二人。
なに話してたか聞いても二人してぜんっぜん教えてくれないしね。」


「そうそれ!
教えてくれたっていいのになー…」


……なんか、前は俺しかいなかったから俺を好きになってくれただけで

今暁斗も仲良くなったら、暁斗の方がよくなったりしないよな…?
あいつは暴走族でもなんでもないし……


「でもさ、不安にならなくていいんじゃない?
昨日の放課後、ちらっとあの二人の会話盗み聞きしたら桜子、
快斗の好む女の服を暁斗に聞いてたから。」


「え、俺のこと?」


「そ。
まぁそういうのは本人に聞くのは恥ずかしいっていうタイプだし、だから暁斗に聞いて快斗には内緒なんじゃない?」


「…ふーん、ならいいや。」


へー、俺のことか。
俺がいないとこで俺の話してるのか。

なんだそれ、嬉しすぎるんだけど。