「でも、嫌いではないんでしょ?」


「…………まぁ。」


猫は特別好き。
必要以上に構ってこないのに、癒されるから。


「ね、明日一緒に回ろうよ。」


「あなたは友達がいるじゃない。」


「だから、桜子ちゃんも一緒に。」


…………なに、バカなの?
私が入れるわけないじゃない。

大津快斗の友達なんて、みんなヤンキーみたいな人だし。


「私に構わないで。」


「でも俺のこといっぱい知って、好きになってもらいたいし。」


「そのさ、好きってなんなの?
意味がわからないんだけど。」


「男が女の子に好きって言ったら、LOVEしかないじゃん。」


「…………え?」


つまり、この男に惚れる、ということ?
…………いやいや、ありえない。

だいたい、なんで私?
この男が本気で私に惚れてるとは思わない。

たぶん、気に入っている程度。
全てが遊びだとは思ってはいない。
けどちょっと物珍しいから…程度なはず。


…………なのになんで私が惚れなきゃいけないの?


「……からかうのもいい加減にして。」


「えぇ!ちょっ!」


もう付き合ってられなくて、私はトイレへと逃げることにした。