暴走族に恋をする。




「…じゃあ、それから?
真面目ちゃんになったのは。」


「んー…まぁ真面目になったのに涼介は関係ないけどね。
やっぱり罪滅ぼしの方が大きいのかも。」


お兄ちゃんが死んだのは、あいつだけのせいじゃない。
私も罪はあったんだ


「中1のくせに大人に憧れて、買い物に行って帰りが遅くなって、そのせいでお兄ちゃんが死んでさ
やっぱり私に人生楽しむ権利ないなって思ったの。

オシャレに目覚めたのは10歳くらいの時。おしゃれをする女の子が主役のマンガを見て憧れた。
そしたら勉強が疎かになって、自分で受けたいっていったくせに名堂落ちて。
その時はお兄ちゃんがいたからお母さんもそんなに厳しくなかったんだけど、それでもすごく怒られたの。
自分の言動に責任を持ちなさいって。」


小学生の私に、その言葉はとても重かった。
"責任"という言葉の意味を本当の意味で理解するにはいまだってまだ難しいかもしれない。


「それから私は勉強するのをやめたの。
………そしたらお小遣いもらえなくなっちゃってさ、化粧品を万引きするようになったの。」


「えっ…!?」


「最低でしょ?
一店舗からずっと万引きしてたらその店主、自殺しちゃって……
結局未遂に終わったんだけど、それがすごくショックだったの。
すごく反省した。たかが万引きでって思ってた。
だけど、それは人の人生を狂わせるくらい大きなことだったんだって、私はその時はじめて知ったの。

私は、私さえ楽しければそれでよかった。
そんな人生を送ってきた。
………でもそれで、私はたくさんの人を傷つけた。

それからお兄ちゃんが死んで、私はもう楽しむことをやめた。
私が楽しむと誰かが傷つく。
だから真面目になったの。

そしたらずっと一緒に遊んできた友達はすぐに私のそばからいなくなった。
涼介も気にはかけてくれてたけど、私が頑固な性格なの知ってるから、すぐに諦めたかな。

真面目な私なんか、誰も相手しなくなった。
お母さんは、おしゃれをやめた私を余計に目障りになったんだと思う。
でも、私におしゃれをする気力はもうなかったんだ。」


どうすればいいのかわからなかった。
どうすればみんなに愛される子になれるのかわからなかった。
一番愛してくれてたお兄ちゃんがいなくなって、私は誰を頼って生きていけばいいのかわからなくなった。