***


「快斗、帰ろ。」


「うん!!」


仲直りしてから、快斗はずーっと私のそばにいる。
休み時間も、お弁当も一緒。

こんなに学校が楽しく感じたのは何年ぶりだろう…


「ね、俺と手を繋ぎたくないの?」


「……はいはい。」


自分から触らない宣言をしてといて、私から手を繋がるように仕向けてくるけど。


「あ、そういえば桜子ちゃん門限は?」


「とくにないかな?
お母さんには勉強してくるから22時過ぎには帰りますって言ってきたから。」


「やったね!結構長いじゃーん。」


「勉強もするけど。」


「でも、今日はずっと俺んちにいてくれる?」


「まぁ、快斗がいいなら。」


「ぜんっぜんいい!
……あ、待てよ…でもそんな遅くまでいると父さんがうるさいかも…
やっぱ途中で工場行こ。」


「うん、なんでもいい。」


快斗が楽しそうなら、それで。