「そういや快斗、教習所通ってんの?」


「もっちろーん。
自動二輪専門のとこにな。
高校生コースとかあって、夕方でもわりと通いやすくて
2ヶ月かかんないくらいでとれるかなー。」


「でもバイクはどうすんの?」


「それも親父が買ってくれる。
なんたって約束したからな。」


「いいよな、快斗んちは。」


「無免で乗り回してもなにも言われない蓮んちのが楽だと思うけど。」


教習所に通い出して2週間
バイクは地道に通うしかねーから仕方ないけど、さっさと免許がほしい。


「ってか蓮タバコない?
俺今日持ってなくってさー。持ち検で。」


「へー、秀明はそんなめんどくせーのやるんだな。」


「ほんとだよ!
校則緩いくせにそういうのあるんだよ。」


「でも抜き打ちじゃねーの?」


「抜き打ち。
だからとりあえず知らねーやつのカバンにこっそり移しといた。」


「はは、そりゃそいつが災難だな。」


「だから蓮のちょうだい。」


「はいよ。」


「サンキュ。
いいよな、名堂はそういうのなくて。」


「そりゃそういうことしてるやついないって勘違いしてるからな。」


「今年、蓮たち4人がいきなり来て先生たち焦ってんじゃね?」


「まぁ俺の知ったこっちゃねーけど。
快斗もこっちくりゃよかったのに。」


「だって首席じゃなきゃバイク禁止だったし。
名堂じゃむりだし、なら秀明で。」


「まぁ快斗はどこでもやってける感あるもんな。」


「男も女も友達いっぱい。」


「なのにあんなダセーのにハマってんの?」


「ダサいって言うな!」


「今時の女子高生であんなネクタイきっちりしてるの見たら、ダサいとしか言いようがない。」


「真面目なんだよ!」


「ブスじゃねーのにもったいねーな。」


え。


「だ、だろ!?」


まさか蓮が誉めるなんて…
今日はきっと雷雨だ。