━━━翌日


「…おはよ、桜子ちゃん。」


「あ、おはようございます。」


うはー、笑顔だよ。今までの挨拶のなかで一番かわいい。


「あの、今日「快斗おはよ!」


桜子ちゃんがその笑顔のまま俺に話しかけてくれているのを、早坂が見事に遮って俺の腕を掴んできた。


「…おはよ。」


ここまでされるとスルーも出来ないから、とりあえず俺は返事した。
……けど、桜子ちゃんの話の続きが気になって仕方ない。


「ねぇ、快斗!今日ひま!?暇だといって!」


「え…ま、まぁ暇だけど…なに?」


「ほんと!?
じゃあお願い!一緒にライブいかない!?」


「ライブー?平日なのにあんの?」


「あるの!本当は地元の友達といく予定だったんだけど、風邪引いちゃって…
みんなお金ないとかバイトとかで行く人いなくて…

お願い!もう快斗しか頼める人いないし、絶対行きたいの!
チケット買ったから無駄にしたくないし、クラブだから一人でいきたくなくて…」


クラブか…前の俺なら絶対行ったけど…今は桜子ちゃんいるし……

………でも、行ったら桜子ちゃんも妬いたりしてくれるのかな。
怒ってくれたりすんのかな。


「………いいよ。」


「ほんと!?」


「うん。クラブとか最近いってないし。」


「まじで感謝!
クラブ営業前だから16時からで、学校終わったらすぐ向かうから!」


「え、でも制服でいいわけ?」


「今日は高校生OKの日なの!お酒もないしね。」


へぇー、なるほどな。


「ま、そういうことだから忘れないでね!」


はいはい。