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「よ。」


22時半だと言うのに、工場の社長室にくると全員が揃っていた。
オチケンなんて寝てるし。なら家帰りゃいいのに。


「おう、快斗。桜子送ってきたか?」


「うん。
……ってか俺、桜子ちゃんと付き合ったからー。」


「は!?」


俺の言葉に、激しく反応したのは隼斗だった。


「………なに、隼斗。
もしかしてお前、本気で桜子ちゃんに惚れてるわけ?」


「は!?んなわけあるか!あんな陰気女!」


………絶対惚れてんじゃん。
どこまでムキになってんだよ。バレバレだわ。

まぁいいや。


「でも、それにしてはあんま元気ないな。」


「ゆっきー…
なんかさー、キスしたら帰っちゃった。」


「………は?」


「キスしていい?って聞いたら道端でやめてって言われて
それでもしちゃえば照れるだろ、と思ってしたら、俺の顔なんか見ることなく帰ってった。
怒ってないとは言ってたけどさー……はぁ…」


「…快斗ってそんなキャラだっけ。」


「恋は人を変えるんだよ!」


「女かよ。」


「……桜子ちゃんは変わんないよなぁ…」


なんかもっと、照れたりデレたり可愛くなったりするかなって思ったけど
桜子ちゃんは今までと変わらずツンツンしてたし…