真面目に聞いたのに最後はぐらかされ、あきれた私は快斗より前を歩いた。
この人の本音はどこにあるのか、私にはやっぱりわからない。
「………まー、とにかく俺が確実に言えることはさ」
快斗がそういった瞬間、私の体は温もりに包まれた。
そして一瞬にして、私の体は発熱した。
「…俺が本気でこんなことするのは、桜子ちゃんだけだから。」
そんなことが私の耳元で聞こえて、足も止まれば思考回路も停止した。
体温上昇だけがかなり激しい。
そしてそれは、快斗の一言によって拍車をかける。
「俺と付き合ってよ。」
今までにない、すごく真面目な声が
私を包み込むその腕の強さが
私の体全体に染み込んでいく。
「か、いと…」
「俺本気だよ。」
そういう快斗に私はなにも答えられずに下を向いていると、感じていた温もりがなくなり、かと思ったら私の前に快斗が来た。
「いやなら拒否して。」
快斗は私の目をみてそういって、私に顔を近づけてきた。
私の腰に手を回したまま。
考える時間を与えない手段が卑怯で
「………っ、」
私は顔を下に向けた。
「………そっか、わかっ「約束してください。」
「え…?」