「でも、今まで快斗だけに少し特別だった桜子が、俺らにもまともに対応するところ見たら、快斗も焦るかもな。」


と黒崎くんが楽しそうに言うと


「っていうか、蓮が女をまともに相手してるところ見て勘違いしそうじゃね?」


とゆっきーさんも楽しそうに言った。


「とりあえず工場戻るか。
幸人みんなに連絡しとけよ。」


「はいはい。」


「あの」


「あ?なんだよ。」


「みんなは私の先生になってくれるの?」


「あぁ、幸人とオチケンも全然いいみたいだしな。
快斗も全然いいだろうし、隼斗もあの様子じゃいいだろうし、俺も別に構わねーよ。」


「ほんと?よかった。」


「っていうか、塾なんてやめちゃえば?」


なんてゆっきーさんが言うけど


「お母さんに説明できないので無理です。」


お母さんを満足させるために通っている塾を、やめるわけにはいかないから。


「ただ、あともう少しでテストがあるんです。
中間テストが。
なのでみなさんにご協力を…いった!
な、なんでデコピンするの…」


私が話していると、突然黒崎くんにデコピンされた。


「敬語は禁止だっつーの。」


「…そうだった。」


気を付けないと…。


「ま、そんなのお安いご用だよ。
俺らでよければいつでも教えるよ?
ねぇ?蓮。」


「あぁ、それはいいけど。」


「よかったー、ありがとう!」


これで中間テスト、上位狙えそう。
お母さんを満足させられるように頑張らなきゃ。