「フルーツ、ケーキ、パフェ〜!!!
ここにこれば毎日食べられる何て…天国だ」

想像してヨダレが垂れそうな口を押さえながら
私はスイーツ選びに夢中になっていた

「美桜は甘いもの大好きだからねぇ!」

向かいの席に座っている陽菜乃は
もう、いちごパフェに決めたそうだ。

「迷うな〜。
いちごパフェとチョコレートパフェ!」
「じゃあ私のと半分こしようよ」
「え!いいの!」
「うん!全然大丈夫だよ〜」
「ありがとう!陽菜乃〜!」

「あ、注文お願いしまーす!」
私達の横を通り過ぎる若い店員に声をかけた
「いちごパフェとチョコレートパフェを1つずつ
お願いします!」
「はい。いちごパフェとチョコレートパフェを
お1つずつですね?」

近くで見るとやっぱり若い。
同じ歳くらいに見えるけど…
この学園内の食堂にまさか、そんな若い人はいない

「ありがとうございます」

「……っ!」

陽菜乃が、店員に微笑みかけると
耳まで真っ赤にして去って行った

これは…さすが天然モテ子だなぁ

女の私でさえ惚れちゃうんだもんなぁ。

近所のお兄ちゃんも、学校の先生も
通り過ぎる人達皆んなが見惚れちゃう。

そういえば例外もいたなぁ…
お兄ちゃんと……碧…

口止めの事もあって
碧には結局何も言わずに来ちゃったな
高校が変わる事も、魔法のことも、あの事も…

陽菜乃と2人で遊ぶのも全然好き
でも、どことなく違和感があるよ、


碧…元気かな…



あ、そういえば
お兄ちゃんもこの学園に通ってるんだよね。
なんでお兄ちゃんは寮生活なんだろう?


「陽菜乃はいつ、自分の魔法に気づいたの?」
「私は幼稚園の頃かなぁ……っふふ」
「え!急に何で笑うの〜!」
「ごめんね。素敵な事を思い出して」
謝りながらも陽菜乃は笑い続けた

相当良い思い出があるんだなぁ。
幼稚園って事は引っ越ししてくる前かな?

「そっかぁ。私は何の能力かなぁ」
「美桜は何か心当たりないの?」
「あったら悩まないよ〜!
でも次の魔法の訓練で分かるよねっ!
とっても楽しみだなぁ〜」
「そうだねぇ」


「ねぇ。ちょっと。」