「まだ授業中でしょ?あなたはもう教室に戻りなさい」


「……けど、」



美月が心配な俺は、“はい、そうですか”とすんなりとは帰れない。



「ふふ、とても大切な人なのね」



そういって、優しく微笑む先生。



「でも、この子のことは私が責任を持ってお預かりするから安心して?」



物腰が柔らかい人だから、話してるだけでなんか落ち着く。


それに、ちゃんと先生が見てくれてるんだから、大丈夫だよな?



「……わかりました。じゃあ、美月のこと、よろしくお願いします」



俺は先生に頭を下げ、美月の気持ちよさそうに眠る顔を見てから保健室をあとにした。