「なんだよ、転校生~!俺らのマドンナと知り合いなのかよ~!?」 クラスの男子はわけのわかんないことを言いだすし、私と転校生の大地が知り合いだと知ったみんなはざわつきを増すばかりだった。 「俺と美月の両親はこの学校の卒業生で、親友同士だったから、俺たちは幼なじみなんだ。な?美月」 「……っ」 人懐っこい笑顔で、会えない時間が10年もあったなんて感じさせない口ぶり。 だから、 「……うん」 なんて、私もつい答えてしまったけど。 なにもみんなの前でその話をしなくてもいいのに。