「だったら、もう、美月が嫌だって言っても離してやんないから」


「……えっ?」



大地は、ぎゅうっと私をきつく抱き締める。



「だって、今日からは、美月の彼氏として傍にいていいんだろ?」


「……っ!」



耳元で囁かれる甘い低音ボイスに、カァーっと身体中が熱くなっていく。


私は、恥ずかしくて、言葉のかわりにゆっくりとうなづいた。


すると、それまでぎゅうっと抱き締めてくれていた大地の腕の力が抜けて私の身体をゆっくりと離す。


でも、私は顔をうつむいたまま大地の顔を見ることができない。


だって、恥ずかしいし、私の顔、間違いなく真っ赤……。



「美月、」



大地はそんな私の名前を優しく呼ぶと、私の顔にかかった黒髪をそっと耳にかけてくれて。



「大切にするって約束する」


「……っ」



大地のその言葉に反応して、私が少しだけ顔を上げた、次の瞬間。



「……っ!!」



私たちの唇が重なった──。