「愛美ちゃん、行こう!」



私の近くにいた愛美のもとには、いかにも体育会系って感じの短髪で細身のさわやか系イケメンがやってきた。


この人が、菜乃花がいっていた、“狩野くん”?



「うん、早く行こぉ~♪」



なんて、いつものぶりっ子声を出しながら、彼の制服の袖を引っ張り歩きだす愛美。


その際に、すぐ近くにいた私を横目でみたときの愛美のどや顔ったらない。


何よ、あの見せつけるような愛美の態度。


ほんと、負けず嫌いなんだから。


ところで、肝心の大地はどこにいるの?


私はあたりを見回すと。


……いた。