夕食のバイキングを食べ終えた私たちは、大地たち男子メンバーとはエレベーターで別れ、部屋に戻ると備え付けのお風呂に順番に入ることにした。
「あたし、他の人が入ったあとに入るなんて絶対無理だから一番に入らせて」
「愛美、ほんとわがまま」
「しかたないでしょ?こう見えて潔癖症なんだから」
「ハイハイ。じゃ、後が詰まるから、さっさと入って、さっさと出てきてよね」
愛美は、“そんなの無理”だのなんだのブツブツいいながらもお風呂場へと向かっていった。
「……ったく、もう」
はぁ、とため息がもれる。
「ごめんね、菜乃花。愛美、わがままで」
愛美のかわりに謝ると。
「ううん。あたしなら何番目でも大丈夫だし気にしないで?それより、今まで目も合わせなかったふたりが話してるの見てホッとしちゃった」
「……え?」
菜乃花に指摘されるまで自覚なかったけど。
今まで、愛美とは目を合わすこともなければ、会話すら避けてきた私が、愛美とふつうに話してることに気づく。
きっと、さっき、これまで溜め込んできた感情をひとつ残らず、愛美本人にぶつけられたからだ。
素直に自分の気持ちを伝えることの大切さに気づかされたような気がする。
「あ、ライン。美月ちゃんのスマホじゃない?」
菜乃花に言われ、ポケットにいれていたスマホを取り出すと。
ほんとだ、ラインが来てたみたい。
送り主は、──大地だ。
【明日、すっげー楽しみにしてる。
明日も楽しい1日にしような。
そのためにも、今日は夜更かししないで早く寝ろよ?
じゃあ、また明日な。おやすみ】
「もしかして、大地くんから?」
「え?」
「美月ちゃんの顔、すごく幸せそうだから」
「……っ!」
菜乃花って、おっとりしてそうで、実は鋭い?



