「ん~、残念ながら、美月との関係は平行線だけど、心の距離が近づいた手応えは感じてる」



同じものを見て、笑って、感じで、触れて、共有できる思い出もできた。



「ヒュ~~♪大地が美月ちゃんの心をガッチリ掴むのも、もう時間の問題だよな。美月ちゃんも、満更でもなさそうだし。要はどうなんだよ?菜乃ちゃんと心の距離は近づけた?」



今度は、興味津々な目を要に向けるタケル。


すると、要は。



「だいぶな」



恥ずかしそうに、だけど、嬉しそうにそう答えた。



「明日の自由行動も、一緒に回る約束した」


「マジかよ要!やったなぁ~!!」



タケルが目を見開き自分のことみたいに喜んでる。



「要、よかったな。頑張ったじゃん!」



俺も素直に嬉しい。


今日1日、間近でふたりのことを見てたけど、最初は口数が少なかった菜乃花ちゃんだけど、緊張が解けると意外としゃべる子なんだな、って思ったし。


クールに見えて、中身はあったかい要と、ほんわかした空気をまとう菜乃花ちゃんは、友達思いなとこも一緒だし、お似合いだなって思いながら見てたんだ。



「明日はふたりとも好きな子とデートかぁ!うらやましいぜ!」



わざと悔しそうな顔をして言うタケル。



「タケルは?明日、誰と回るか決まってんの?」



俺たちが一緒に回ってやれないとなると、タケルと愛美ちゃんのことが心配だった。