二の腕をひかれ、大地のほうに体を引き寄せられたかと思えば。


私の顔を覗きこむようにして傾けられたキレイな顔がゆっくと迫ってくる。


え?何?


勝手にバクバクと激しい音を立てる心臓の鼓動。


パニックになりそうな頭で、必死に今の状況を把握しようとしていた矢先……


大地は目を閉じ、その長い睫毛に気をとられていると。



「……っ!!」



唇に、温かくて柔らかいものが触れて。


……え?今の感触、何?


突然すぎて、一瞬すぎて、すぐには何が起きたのか理解ができなかった。


だけど、今のって、まさか……その、


……キ、キス──!?