唇と唇が触れるだけの、短いキス。
ゆっくりと顔を離すと、美月が目を見開いたまま固まっていた。
「好きだよ、美月」
「……っ!!」
大きな目をさらに見開く美月。
「幼なじみとしてでも、同居人としてでもなくて、美月の彼氏として、これからは美月の傍にいたい」
美月にとって、特別な存在になりたい。
「だから、俺と付き合って?」
「……っ、」
「返事は急がないから。前向きに考えてみてほしい」
……告白なんて、ほんとは今日するつもりじゃなかったのに。
ましてや、いきなりキスとかナシだよな。
けど、美月の話を聞いたら、どうしても今この瞬間伝えたくなった。
美月はひとりじゃないって。
これからはずっと、俺が傍にいるって。
美月のことが、好きだって。
そう伝えたかったんだ──……。