「……誰だって、口ではなんとでも言えるよ」



美月はフィッと横を向いてしまう。


だけど、美月の顔はゆでダコみたいに真っ赤だ。



「じゃあ、口だけじゃないってこと、証明するよ」


「……そんなこと、どうやって??」



ちょうど赤信号につかまり、立ち止まった俺たち。


俺は、左横に立って見上げてくる美月の二の腕を自分の方へ引き寄せると。




美月に、キスをした──。