愛美ちゃんは、ふたりが仲良くするのをよく思ってねーのかな。


そんなことを思いつつ、その日のテストは無事に終了した。



「美月、腹減った。なんか食ってから帰ろーぜ」



帰る身支度を済ませ、美月の席まで迎えに行く。


すると。



「なぁ、大地と美月ちゃんてマジで付き合ってるの?」



美月のとなりの席の要が真顔で聞いてきた。



「そうそう!俺もそれ聞こうと思ってたんだよ!」



いつの間にか、タケルまでいるし。



「そんなわけ、ないでしょ?」



だけど、すかさず美月が否定する。


なにも、そんな強く言わなくてもよくない?


美月は俺と付き合ってると思われたらそんなに嫌なわけ?


だけど、美月はフィッと視線をそらす。


あ、実は照れてるだけだったり?


一見、わかりにくそうで、わかりやすいよな、美月は。



「そうなの?けど、朝からすげー噂になってたぞ?抱き合ってキスしてたとか、」


「はっ!?キ……キスなんて、してないからっ!」



真っ赤な顔でタケルを睨む美月。



「そ、そっか。噂ってホント怖いよな!ははっ」



美月に睨まれ、タケルはひきつり笑い。



「でも、大地と美月ちゃんてお似合いだと思うけどな」



要にそんなこと言われると照れる。