美月にも聞こえていたのか、美月は不愉快そうな顔をしながら、先に自席についてしまった。


すると、すぐさま美月のもとへと駆け寄るひとりの女の子。



「美月ちゃん、もう熱は下がった?大丈夫?」



それは、心配そうな表情を浮かべた菜乃花ちゃんだった。



「うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」



そう言って、微笑んでる美月の横顔が見える。



「ほんとに?よかったぁ~~!」



それを聞いた瞬間、菜乃花ちゃんの表情も一気に和む。



「美月ちゃん、テスト頑張ろうね」


「うん。頑張ろ」



二人は微笑みながら会話を交わすと、菜乃花ちゃんはまた自席へと戻って行った。


そんなふたりのことを無表情でじっと見つめている愛美ちゃんに気づいた。