俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~





「そしたらさ、愛美ちゃんが来て、周りを気にしながら、スカートのポケットから手紙を取り出すと自分の上履きの上に置いてんのが見えて」


「……」


「そのあと、愛美ちゃんは一度駐輪場に戻ると、自分のチャリの近くにしばらく立ったままでいたんだよ。何やってんだろうって思って見てたら、どうやら愛美ちゃんはそこで菜乃花ちゃんが来るのを待ってたみたいでさ」


「……菜乃花を?」



どうして、菜乃花を待ってたんだろう?



「愛美ちゃんは、自分も今来たかのように装って、菜乃花ちゃんと一緒に下駄箱に向かってくわけよ」



そこまで聞いて、ようやくピンときた。



「愛美ちゃんは、菜乃花ちゃんにも下駄箱に嫌がらせの手紙が入ってるのを目撃させることで、嫌がらせにあってることは本当なんだと思い込ませて、菜乃花ちゃんからも心配してもらうのが狙いだったんだろうな」



……そういうこと。


心配してもらって、菜乃花にも相談にのってもらって、菜乃花を自分の味方につけたかったってわけね。