俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



それから愛美は、



「ふたりの邪魔しちゃ悪いから、先に行くね」



そう言って自転車を走らせた。


私たちも再び歩きだす。



「……ねぇ、大地は昨日、愛美に“白状したら”って言ってたでしょ?もしかして、最初から愛美の自作自演だってことに気づいてたの?」



大地にそう言われたときの愛美、“なんで知ってるの?”ってすごく驚いた顔してた。



「まさか。最初は全然気づかなかった」


「じゃあ、どうしてわかったの?」


「嫌がらせする犯人が誰なのか確かめたくて、朝、早めに学校に行って、下駄箱が見える位置で張り込んだんだよね」


「張り込み?」



それって、部活の朝練がテスト前で休みに入った初日のことだよね。

朝練はないはずなのに、なんで早く行くんだろうって実はすごく気になってたんだけど、そういうことだったんだ。