「あんなことして、大地くんにバレたら嫌われちゃうってわかってたのに。それでも。少しでも大地くんの気をひきたくて。あたしのこと心配してほしくて、それで、……」
愛美は目に涙を浮かべ、下唇をギュッと噛んでいる。
やっぱりそうだったんだ。
それで、何かと理由をつけて、ふたりで話していたり、昼休みも一緒に過ごしてたってこと?
大地によく来るラインも、愛美からのものだったのかな。
明確になった瞬間、それまでの不安がクリアになっていく。
だって、このまま大地と愛美の距離が縮まっていって、大地のこととられちゃうんじゃないかって本気で心配してたから……。
「俺よりもさ、もっと他に愛美ちゃんが謝らなきゃいけない人がいるんじゃないの?」
大地は優しい口調でそう言った。
「……うん。わかってる。シオンとカオリには、今日ちゃんと謝るつもりだから」
その目は、真剣だった。
愛美なりに、少しは反省してるのかな。
そう思いたいな。



