「なんでわかってくれないの?フツー友達だったら、友達の恋の応援をしてくれるものなんじゃないの?」


「じゃあ、聞くけど、本当にうちらのこと友達だと思ってんなら、シオンがタケルくんのこと好きなこと知ってて、自分だけタケルくんたちがいる班に入ったりする?」



シオンて、タケルくんのことが好きだったんだ?


って、突っ込むのはそこじゃなくて。


友達だと思ってるなら、そんな自分だけ抜け駆けするようなことはしないはず。



「それは、シオンのためでもあるんだよ?」



……シオンのためだなんて。


自分のための間違いでしょ。



「あたしだけでもタケくんたちと同じグループになれれば、そこからシオンがタケくんと仲良くなれるチャンスも作れると思って、それで……」


「もういいよ、愛美。そういうの、いらないから。せいぜい、大地くん落とせるように頑張ったら?いこ、カオリ」


「うん、じゃあね。愛美」


「ちょっと、二人とも待っててばぁ~」



愛美の焦る声が聞こえる。



「……チッ。なんなの、あいつら」



カオリたちがいなくなったのか、途端に舌打ちして本性を露にする愛美。


カオリたちに愛想を尽かされて当然だ。


自業自得だよ。