……あのときもそうだった。
あれは、忘れもしない中学2年の夏。
「時期部長は、土屋にお願いしたいと思ってる」
部活終わりのミーティングの時間、当時、陸上部の顧問をしていた真山先生が部員たちの前でそう言った。
その途端、沸いた拍手。
私に部長なんて大役を務められるのか心配だったけれど、先輩たちからも前々から部長候補に推薦してもらっていて、お世話になった先輩たちに少しでも恩返しができるならと思い、引き受ける心積もりはできていた。
だけど。
ただひとり、愛美だけはそれを快く思ってはいなかった。
「先生も先輩たちも、みんな土屋さんのこと、買い被りすぎですよ」
「それは、どういう意味だ?黒橋」
「先生。土屋さんが隠れて喫煙してること、知らないんですか?」



