「実はね、菜乃ちゃん、お昼ご飯一緒に食べれる子がいなくて困っているんだって」
相変わらず大地の腕に触れたまま、眉を下げ、困り顔をしながら大地を上目遣いで見上げる愛美。
「……えっ、」
突然、自分のことを言われた菜乃花は驚いた声を漏らす。
ちょっと愛美!
愛美のせいで、菜乃花がすごく困ってるじゃない。
大地も要くんも菜乃花のことを心配そうに見てるし。
もしかして愛美、さっきの私と菜乃花の会話を聞いてたの?
いくら大地と一緒にお昼休みを過ごしたいからって、菜乃花をダシに使うなんて許せない。
それに、いつまでそうやって大地にくっついてるつもり?
綺麗に施されたピンクのネイルが大地の腕で煌めいて見えて。
大地から離れてよ、触らないでよ、って黒い感情が私をモヤモヤ、イライラさせて止まらない。



