だけど、大地を前にすると勝手に心拍数が上がって。
「美月、おはよ。さっきは起こしてくれてサンキュな」
……ドキッ!
「……おはよ。お弁当ももうできてるから」
……ダメだ。
やっぱり昨日のことをなかったことになんかできそうもないよ。
だって、大地の匂いとか、ぬくもりとか、抱きしめられたときの感触までしっかりと覚えちゃってる。
いくら言葉では平静を装っていたって、恥ずかしくて大地の目をちゃんと見ることができなくて。
あぁ、これって完全に大地のこと意識しちゃってる証拠だよね……。
「じゃあ、また学校でな」
「いってらっしゃい」
玄関先で大地を見送り、ドアが閉まった途端。
「はぁ~あ……」
緊張感から解放された私は、大きなため息をついた。



