「っ……」 どうしても気になってしまって、ちらりと後ろの方にいるふたりを振り返ったら、近いふたりの距離にズキンと胸が痛んで後悔する。 楽しそうに笑う、その横顔に。 2人だけの秘密みたいな、小声の会話に。 嫌になるくらい胸が痛くて、モヤモヤして、切なくて。 ……今日、1回も倉科くんと、目が合わないな。 それだけのことがやけに寂しくて、倉科くんがいつもの意地悪もしてくれないことが気になって。 ……ねえ倉科くん。 意地悪してもいいから、こっち、向いてよ。 意地悪するの、私だけにしてよ。