* * *



カランコロンと、下駄の音が夜の道に響く。


遠くからは祭りの賑わい。

そして少し後ろを歩いているのは、浴衣姿の百井。


初めて見る浴衣姿は、想像以上の破壊力で。


どこを見ていいのか分からずに、思わず目を逸らしたりして。





好きだからって意地悪ばかりしてしまう俺のこと、きっと苦手だと思う。


拗ねた顔が可愛いからすぐ怒らせてしまうなんて、恥ずかしくて言えないけど。







「──次会う時まで、俺のことばっかり考えてれば?」





今までも、次会う時までも。


きみのことばかり考えてるのは、どう考えたって俺の方だ。