「唯くん……」
「……なに」
「怒ってるの……?」
「呆れてんだよ」
呆れてるのか……。
しょぼん、と肩を落とす私の髪を、唯くんはくしゃっと撫でて、
「将来のニートの心配より、数学の小テストの心配したほうがいいんじゃねえ?」
と言って立ち上がった唯くん。
はっ、小テスト……!
全然勉強してない…!
「明日だっけ……!?」
「そう」
「唯くん、教えて〜!」
「はいはい」
なんだかんだ優しい唯くんは、もう不機嫌じゃないみたい。
私を見つめる目が、他の人へのそれよりも優しいって。
これ、私の勘違いかなぁ?