「将来の夢、かぁ……」



さっきのホームルームで配られた進路調査の紙を見つめて、ため息をつく。


第一志望、第二志望、第三志望までの欄があるけれど、私のそれはまだ全部真っ白だ。




今日は唯くんと、放課後の屋上。

なんだか空でも見たいなぁと思って、屋上に誘ってみた。


屋上のドアは普段は開いてないはずなんだけれど、よく鍵をかけ忘れてることに気付いた私たちは、たまに屋上に来ている。

他の生徒たちはあまり気付いていないので、私たちの独り占めだ。



「なに、進路調査?」



少し錆びた白いフェンスに寄り掛かって、床に座る私の隣に来て、棒付きの飴を舐めてる唯くん。


唯くんが座った拍子に、トン、と触れた肩が温かくてドキドキする。