「ゆ、唯くんのばか……」 「バカなのは柑奈」 「……ずるい」 「なにが?」 私をこんなにドキドキさせるところが、だよ。 意地悪め。 唯くんはしたり顔で私を見下ろす。 その表情すら、好きになってしまう。 子供みたいな負けず嫌いに、大人みたいな色っぽい方法を使わないでよ。ばか。