1/100でも、じゅうぶん甘いね。





「……ちょっと待って、無理」




急に口を離した唯くんのせいで、パチンとシャボン玉が弾けてしまった。

小さく飛沫を飛ばして、一瞬で消えてしまったふたつのシャボン玉。



「もう、唯くん!」



せっかく上手くいってたのに、壊れちゃったじゃん!



「どうかしたの?」




下を向く唯くんの顔を覗き込むと、少し頬が赤い気がする。

どうしたんだろう?



「……近い」

「へ?」



私と目を合わせずに下を向いたまま、小さく呟く唯くん。

よく聞こえなくて、もう一度聞き返す。



「顔、近い」

「え……」




たしかに、唯くんのシャボン玉の中に私がシャボン玉を作るんだから、必然的に向かい合った顔は近かったけど。