「シャボン玉とか久しぶりに見たわ」
唯くんは懐かしそうにストローに液をつけて、ふうっと息を吐いた。
ふわり、一斉に空に現れた虹色に光るシャボン玉は、周りの景色を映しながら、ゆらゆらと風に舞う。
「綺麗〜!」
思いのほか綺麗なそれに、思わずテンションも上がる。
あたしも!と思ってシャボン玉を吹くと、たくさんの虹色がふわふわと空に舞い上がった。
「楽しいね!」
子供の頃に戻ったみたいな気分になって、ここが学校の屋上だなんて忘れてしまいそうだ。
はしゃぐ私を見てふっと笑う唯くんに、幸せだなぁ、なんて改めて思った。