「唯、くん」


「なにしてほしい?」


「なんでもいいの?」


「なんでもいーですよ、柑奈ちゃん」



からかうみたいに、私の頭を撫でる。
そっと手を伸ばして、唯くんの頬に触れた。




「……柑奈ちゃんの好きなところ、10個言ってください」




ばかみたいなワガママを言ってみたのに、唯くんはまた優しく笑って、私と目を合わせる。



「ばかなところ」

「……それ悪口じゃん」


私の手を取って、優しく撫でる。



「鈍感なところ」

「それも、」


「純粋なところ」

「……そんなことないよ」


「すぐ照れるところ」

「……」


「笑顔が可愛いとこ」

「っ、」


迷うこともなく、次々と好きなところを並べる唯くんに、どんどん照れくさくなってきた。