「それではミスター候補の皆さんに好きなタイプを聞いていきましょう!まずは2年生の倉科唯くんから!」
司会者の言葉に、唯くんが心底面倒くさそうに眉をしかめる。
「あー……」
少し何をいうか迷った唯くんは、そのままふらりと前に出てきて。
トン、とステージから降りた。
前の方にいた女の子たちが、突然自分の前に降りてきた唯くんに黄色い歓声をあげる。
唯くん、どうしたんだろう……?
不思議に思っていると、唯くんはそのまま人混みをかき分けて、まっすぐに私のもとに向かってくる。
「え……」
私の前まで来て立ち止まった唯くん。
周りの視線が一気に私に集中する。



