「雰囲気違って可愛いよ」



なんて言ってくれる優しい翔太くん。
意地悪な唯くんとは真逆の性格だなぁ。


こういう甘いことをサラッと言えちゃうあたり、翔太くんが密かに女の子たちから人気の理由だと思う。




「よー、翔太」



と、後ろから聞こえた声に、あたしも思わず振り返ったら。


茶色くてふわっとした髪。

大勢の人の中でも、なぜか1人だけキラキラして見える、私の大好きな人。




「唯、おはよう」

「唯くん!おはよう!」




朝から会えた嬉しさに、思わず頬が緩む。
私は嬉しくて、にこにこしながら挨拶したのに。



「ああ、柑奈、いたの?
小さくて見えなかったんだけど」



なんて、相変わらず意地悪な彼は健在だ。

悔しいけれど私よりずっと高い身長の彼は、私を見下ろしながらニヤリと笑う。