「優ちゃん……無理だった……」
結局、唯くんとは話せずに、しょんぼりしながら優ちゃんのところに戻る。
そっかー、と困ったように笑っている優ちゃん。
せっかく可愛くしてもらったけれど、唯くんに見てもらえないんじゃ意味ないのに!
とは思うものの、どうしても恥ずかしくて。
唯くんと何度も目があったのに、全部逸らしてしまった。
「柑奈、このあと……」
「ご、ごめん!シフト入ってる!」
唯くんから誘ってくれようとした時も、先に断ってしまった。
だって、引かれてたらどうしようって怖くて……!
断ってしまってから猛烈に後悔して、ドレスの裾をぎゅっと握る。
……唯くんとキスしたいのに、それで気まずくなっちゃったら意味ないよね。



