ちらりと左隣にいる唯くんを見ると、頬を赤く染めたきみがいた。 意地悪で余裕なくせに、意外とすぐ照れちゃう唯くんが、可愛くて。 焼きそばを食べ終わったあたしが食べていたりんご飴を、カリッとひとくち奪った唯くんが。 一瞬だけ、触れてしまうほど近づいたあたしたちの距離が。 唯くんの唇にうつった、りんご飴の赤が。 ……なんだろう、なんでだろう。 触れてみたいと、思ってしまった。