「りんご飴、懐かしいな」
ふっと目を細めて笑う唯くん。
唯くんも覚えててくれたんだ。
あたしが唯くんを好きになった、あのお祭りの日のこと。
唯くんがくれたりんご飴には、きっと恋の魔法がかかってた。
「りんご飴も買っていこうよ」
「そうだな」
あたしたちは焼きそばをふたつ、それからりんご飴を一個持って校舎に入る。
「あれ、屋上空いてるじゃん」
人のいなさそうな屋上の前の階段の踊り場で食べようと思ったら、いつもは施錠されている屋上のドアが開いていた。
ギイ、と重たいドアを開けると、涼しい風があたしたちの髪を揺らす。
思えばこれが私たちが屋上に入った最初の瞬間だったなぁ。



