「人多いな……」 「そうだね、迷子になりそう」 一般開放されているから人が多くて、油断すると唯くんを見失ってしまいそうだ。 「食べ物買って空いてるところで食うか」 「いいね!」 そんなわけで、私たちはかき氷と豚汁、自分のクラスの焼きそばを買って校舎に入った。 「お、ここ空いてるじゃん。ラッキー」 唯くんは焼きそばなどを持ってくれたまま器用に空き教室のドアを開けて、私を先に入れてくれる。 そんなさりげない優しさにどうしたってキュンと胸が鳴る。 ……ずるいなあ、好きだなあ。