「おい、柑奈。休憩入る?」
そんな話をしていた矢先、唯くんが屋台にやって来た。
隣で優ちゃんがにやにやしながら私たちを見ている。
「あっ……うん!休憩する!」
なんだか急に恥ずかしくて目が合わせられなくて、挙動不審な返事をしてしまった。
「何、どうかした?」
「な、なんでもない!唯くんも休憩!?」
「ああ、うん。かき氷食べたいって言ってただろ。行く?」
「食べたい!」
エプロンを外して次の当番の人と交代で屋台のテントから出る。
文化祭で浮かれた空気の中で、唯くんのことがいつもより格好良く見える。



