* * * 「唯くん、重いよ……」 俺が肩に寄りかかっているせいで、困った顔をする柑奈。 困ってる理由は、顔が赤い理由は、重いからってだけじゃないだろ? 「なに、やり方わかんねぇの?」 近付けばビクッと肩を揺らす柑奈は、俺の加虐心を煽るのが得意だ。 気付いてるよ、ドキドキしてること。 涙目で睨むその顔だって、 「(本当かわいい)」 俺もドキドキしてること、お前はばかだから気付かないけど。