「ええ……寄り道していいのかな?」

「こんな暑い中頑張ってんだからいいだろ」



それもそうだよね、と笑って自動ドアを通ると、ひんやりとした空気が気持ちいい。


「涼しい!」


生き返る!と思いながら、2人でシェイクを買って飲みながら学校への道を歩く。

私はストロベリーで唯くんはバニラ。
甘くて冷たいイチゴ味が幸せだ。


「文化祭、隣のクラスはお化け屋敷やるんだって」

「へえ、行こうよ」

「えっ……お化け屋敷行くの……」


照りつける太陽と、あっという間に溶けていくシェイク。

お化け屋敷は怖いから行きたくないけれど、唯くんが当たり前のように私と文化祭を回ろうとしてくれていることが嬉しかった。


唯くんも楽しみにしてくれてるって、思っていいかな。