……むかつく。 私ばっかりドキドキさせて。 自分はいつも、余裕の顔で。 「……なあ、聞いてんの?」 「ひゃっ、」 耳元、ちかくで。 囁くようなその声に、耳にかかった吐息に、思わず肩を揺らした。 胸の奥が、ジンジン熱い。 恥ずかしくて、緊張して、泣きそうなくらい真っ赤になって。 真っ赤になっているであろう私の顔を、唯くんがじっと見つめるから。 それがまた恥ずかしくて、顔を見られないようにと俯いた。 しかもせっかく唯くんが説明してくれてたのに、聞いてなかったし……。